週刊少年ジャンプ2011年10号の感想です。
「月・水・金はスイミング」なんちゅうタイトルの漫画だ…。
ここ数年のジャンプでは一番「刺激の少ない」読切だったのではないでしょうか。
おそらくジャンプでは異質で、読者にあまり受け入れられない性質の作品。
そうですねー。「すもも」って漫画がありましたね。あれに近いかなあ。
テンポだけ。テンポだけね。内容全然違いますからね。
絵、上手だなあ。
…ほのぼの系が好きなのかな。
この作者様、どんな人なんでしょうね。
この作者様、どんな人なんでしょうね。
中学をもうすぐ卒業するオサムとマドカ。
そのオサムの生活と気持ちの描写が美しすぎる。
何度も何度も読んでしまいました。
でもそれでいいんだよね。二人以外の人物が見事に印象に残らない。
非常に大胆なコマ割りにも驚かされました。
ささいな部分はささやかに、
大事なところはドンとブチ抜いています。
お話の筋書き自体には全然関係が無いけど、
お話を寂しくさせる(演出のために入れた)描写がたくさん入っています。
これだけのページ数をぜいたくに使っている印象。すてき。
でもそれらの描写が、描かれている以上の「背景になるストーリー」を
いろいろと想像させているんです。
オサムと僕の心にぽっかり穴が空きました。
そこにマドカの姿が見えない寂しさがあるんだよね。
「スイミングだから」でマドカを描くのも寂しさですよね。
マドカが来ないってわかってるけどオサムは行くわけです。
オサムがマドカとすれ違うシーンはびっくりしたこれびっくりした。
なんという不意打ち。完全にオサムの心境です。
驚いたやら嬉しいやら。
最後の最後でようやく、マドカが学校でオサムを気にしたシーンが出ます。
気にしたと言っても、本当にただのクラスメイトとしてだけど。
嬉しいじゃないこれ! たったこれだけでも!
1ページめのシーンからするとたぶんオサムはマドカの前の席なんだろと
思っていたけど授業シーンでは違った…。
オサムもたぶん勉強できるんだろうね。同じ高校に行くんだし。
寂しげな中にもこれからいろいろな交流が期待されて既にあれこれ妄想します。
むふー。やっぱり嫉妬。なにこの漫画!
ころり転げた木の根っこ…ってこんな簡単なの普通忘れない!
そんなのが給食に出る地域があるんでしょうか。知らない。
バスの中でオサムはマドカが気になって、
3月7日の帰りのバスでマドカがおにぎりを食べている時の会話を聞いて
3月8日に音楽の追試を受けてウサギのエサを探し、
3月9日が、最後のシーンの日でオサムがバスを待たせて
マドカと会話をするのかなーとかいろいろ考えてる僕は一体何。
妙にハマって読んでしまったこの作品ですが。
この話って、わざとかわかりませんが、時代をぼかしてますよね。
たぶん30年前って設定にしても全く違和感無いし。
作者様の脳内設定では15年〜20年くらい前の感じなのかもしれませんね。
今だったら「アドレス交換しましょう」「メールするわ」だもんね。
のんびりしている感じ。町が山に囲まれています。
中学校も人数少なめな感じ。当番が回るくらいだ。校長もハゲてるし。
「お兄さんが東京の大学に行っている」のであれば東京じゃないんだよね、きっと。
でも3月に雪が降り積もる地方でもない。
なんか僕、妄想激しすぎですか?
「ここはどういう感じなんだろう」とか、作品で描かれない部分を想像させたら
これは素晴らしいことではないかと思うのです。
むしろ想像し始めたら、ちょっとハマってますよ皆さん。
面白かったです。気に入りました。
なったとしても人気が得られるでしょうか。
連載になるとしたらもう少し、味を変える必要があるかもしれませんね。
もう少し都会的な感じにした方が事件が起こるのかもしれません。
いや、それは本当に妄想です妄想。