やじろぐ7

40代半ばの妻子持ちがゲームしながら解脱を目指すブログ

ワープロ

村上春樹の小説を立て続けに読んだ。
騎士団長殺し」と「1Q84」感想はまた書きたいと思うけれど。
前者は割とウンチクが多くて、それが何の話をしているのかの基礎教養がある程度無いと読みづらい面があると思った。面白かった。
後者は舞台が1984年と定められている。これはもう時代がはっきりと完成しているということで、時代劇と同じ、今後、何年何十年と経っても、その時代の価値観で左右されないものがあると思った。

 

どちらもファンタジー要素があり、主題としての話は終わっているが「あの人のあの件はあの後どうなったんだろう」と想像させる余地を楽しさとして残す消化具合になっていてすごいと思った。後者は異世界要素もあるな(今時のファンタジー異世界転生ものじゃなく、ネット掲示板でオカルト的に語られていたところの「異世界」だ)

 

村上春樹の作品て「どんな話?」て言われて、ネタバレしないように簡単に言おうとしても短く説明できない重厚さがあるね、なかなか面白いと思ったよお。

 

ところでこの両作品に共通すると感じたのは
「どちらも裕福で生活に余裕があって時間がたっぷりある人たちが多い」ということが一つ。
そして「作品としてのモノづくりをする時の集中に入りこむ精神世界が描かれる」ところが一つ。これは特に「騎士団長殺し」に強い。
もう一つ「登場人物の教養レベルと知能が高い」バカがあまりいない。会話の妙が出来過ぎている。これは「1Q84」に強いかもしれない。

 

この中で特に印象に残るのは「集中に入り込む精神世界」で、この感覚は確かに知っているのにもう何十年も味わっていない。作品では自分が知っているよりずっとずっと深く描かれていて、この世界を味わいたいと強く感じるものだった。

 

じっくり集中するぜいたくな時間は、なかなか無い。

 

1Q84」で天吾は、小松に頼んでワードプロセッサーを予算で購入してもらう。俺が初めてワードプロセッサーを触ったのは1994年頃だから、その10年前のワープロはどんなものなのかあんまり想像はできないが、おそらく液晶画面は見にくく小さく、筐体は大きいものなんだろうと思う。
今はもうワープロはパソコンに駆逐された。でも強いて言うなら、現代のワープロキングジムポメラだ。
DM200

www.kingjim.co.jp

これ欲しい。でも、もう最新機種(現行機種)が発売されて5年半くらい経つようだ。そろそろ新型が噂されている。新型が出てから検討してみようかな。何か表現してみたい。これだけコンピュータが発達しているのに、文字入力しかできないマシンなんて面白すぎる。


ちなみに今月からこのブログはiPad Proで Drafts5っていうアプリで書いてるよ。無線マウスと無線キーボードを使って。これはこれで集中できてるかもね。相変わらず俺は指がよく動くので、文章を書くのは本当に楽だ。楽なものだから、インスタントに書いているのは悪い癖かもしれない。もっと集中したい。