やじろぐ7

40代半ばの妻子持ちがゲームしながら解脱を目指すブログ

映画「岸辺露伴ルーヴルに行く」を観た

久しぶりに映画館で映画を観ました。「岸辺露伴」はテレビシリーズも全部観てる。原作は「ジョジョ」第4部は読んでてよく知ってるけど、直接の原作となるスピンオフの「岸辺露伴は動かない」の漫画は読んでないな。

キャラクターの描き方がブレてないなあと思う。岸辺露伴は決してヒーローではないし、ヒーロー的な行動はほんのごくたまにしかしない。好奇心旺盛な奇人変人の類で、基本的に人の心を救う行動を第一にするわけじゃない。結果的にそうなる事はあっても。そういう妥協の無い性格をちゃんと描けてたと思う。

逆に言うと、それを理解していないと映画自体にモヤモヤするものを感じるかもしれない。何しろ、岸辺露伴の人となりを初見の人が理解するだけの描写は十分ではない。だが編集の泉くんの存在は強烈な対比になっていて、短い時間でも露伴の性格を浮き彫りにしている。泉くんの存在はかなりデカい。

ストーリーも今までのドラマ版と比較してブレないテイストになっていたと思う。基本的には人の力ではどうしようもない「畏れるべき何か」に触れようとするヒリヒリした感じを大切に。もちろん露伴の能力だけで簡単に解決できるものでもないが、それがいいのだと思う。しかしそれだけだと、ドラマでは良くても映画ではスッキリしなさすぎるので、露伴の過去の記憶というもう一つの筋を絡めてきて、それが一応解決したという形になっている。

ルーヴル美術館は有名だからもちろん知っているが、興味を持って調べた事はないけど、すごいものだね。映画で描かれる美術館ももちろん広いけど、物語の中で切り取られて(映画の中に)閉じ込められた美術館の世界は狭いものだと思う。さりげなく(堂々と)モナ・リザやニケの前で会話や事件が起こる。

フランス語を喋るシーンがとても多くて気持ちいい。俺もパリのオタクになってサインをねだりたいよ。そうかと思えば時代劇の要素もあったりして、なかなか一筋縄では捉えられない話だった。

総じて映像はとても綺麗。音楽も美麗。多少暗いシーンが(特に終盤は!)多くて、明かりをつけて欲しいと猛烈に思った。でも素人ながらに絵作りはとても気持ちいいと思った映画だった。そこらへんストレスが無くて没入できた。

しかしストーリーはまだ自分の中で消化しきれてない部分もあるなあ。最初の絵を盗んだ男はどこで呪いを受けたんだろうとか、先祖の後悔で騎士に襲われるの可哀想すぎるとか。基本、善人は死なないからいいけれども、幻覚と現実の狭間が曖昧だとか(特に炎!)顔をこすって書いた文字を消した露伴に対してはもう何も無かったのかとか。

また観るべきかなあ。