やじろぐ7

40代半ばの妻子持ちがゲームしながら解脱を目指すブログ

用意された楽園は無い 1

息子の成績が急降下中である。全然勉強している気配が無いので当然だ。
別に、どこまでもキリがない高成績を求めているわけじゃないんだが、学力が高ければ何かと便利なのは間違いない。だから、ある程度求める水準というのはある。
俺は市内の某進学校に進んで、卒業した。その高校を仮にX高と呼ぼう。X高を選んだのには理由もいくつかあるが、兄がそこだったから、俺もそこに行くことになるのかなあと漠然と昔から思ってた。あと、この田舎町には他に大した選択肢が無かったというのもある。
偶然だが妻も同じ学校の卒業生だ。両親ともにX高だから、息子もそこに行くのかなあと俺は勝手に考えていた。息子もとりあえず近いからという理由でX高を志望にしていたが、息子の今回の成績は、とうとうX高に合格する水準から外れているようだ。なんてことだ。

本人もその高校は難しいから、少しレベルを下げた学校を狙っているようなことを言っている。息子が言い出したその高校をY高と呼ぼうか。
Y高も進学校だ。最近聞いたところによると、X高と同じように、ほぼ全員が進学を希望している。俺の受験の時には学区外だったからあまり知らなかったが、今は関係なく受験できるらしい。元学区外だということはつまり、違う自治体にある学校だ。水準的にはX高よりだいぶ落ちる。今の息子の成績でも上位に入れるくらいには。それでも工業系や実業系よりは結構いい普通科進学校だ。

さて息子はX高が幸せなのかY高が幸せなのか。
X高は地域で一番の進学校だ。この町で生活するのなら「X高出身だ」と言えばとても話が早いことが多い。そういう意味ではとても役に立っている。なお県外では何の役にも立たない。
高校時代にも思うことはいっぱいあるのだが、俺自身は後悔が無いように頑張ったつもりだ。あくまで、つもりであり、後悔はあるのだが。
しかし果たしてX高は充実した高校生活が送れる学校なんだろうかと思うところもある。勉強は厳しい。確かに厳しい。しかしそれを抜きにしても、果たして、誇れる学校だっただろうか。楽しい思い出はいっぱい残っている。でも妙な閉塞感を感じていたのも確かだ。同窓生たちの多くは、あまり楽しくなったような事も言う。学力は高いが、それが絶対的な基準で進んでいたような気もする。もちろん学校は、どんどん変わっていく。生徒は移り変わり、長い間に先生たちも全員入れ替わっていく。でも同じ学校として存在し続けている。
Y高の方が伸び伸び過ごせるような気もする。Y高に勤める友人がいるから色々聞くがね。

息子には「X高へ行け」とも「Y高でもいいぞ」とも言えない。ただ言うのは「学校が楽しい高校生活を用意してくれるわけじゃないぞ。どこの高校に行っても、高校生活を楽しくするのはお前自身だからな」ということだけ。
そう、どこに行ったから楽しく過ごせるというわけではない。自分の行動次第だ。ただX高は行動の幅が狭いような気はする。だから本人の気が乗らないなら無理には勧めないが、ただ単に勉強することが嫌だから楽な方に流れても欲しくないんだな。

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