やじろぐ7

40代半ばの妻子持ちがゲームしながら解脱を目指すブログ

原典の感動

息子が「シンジくんて、逃げちゃダメだって言うの」などとMacに向かいながら言う。なにやらYouTubeで動画を観ていたようだ。こういう、原典に触れずに、まとめ等(ミーム化したものも含む)でネタを知ることが心配だ。
俺だって全てを知ってるなんてとても言えない。概要しか知らないものもたくさんある。でも違うんだ、今の時代って、原典の感動を尊重してない気がするんだ。ネタとして処理して、消費して終わりの時代になってきている感覚がある。
刺激の強さばかり求めていって、味わいが減っている。俺が子供の頃にはもうその傾向はあった(そしてそれを感じてた!)が、インターネットが登場して、高速通信が発達して、動画の時代になって、ますますその傾向は加速してる。

そんな傾向が強い元友人がいた。
彼は広く浅く、自分の知識が広がって「ネタを知っている」ことに重点を置いている性格だった。流行は常に追っていて話題も豊富、俺たちが好きだったサブカルチャーについても話をよくしていたのだが、彼は小説や漫画であれば作品を読んでないし、ドラマやアニメであれば観てはいなかった。音楽は聞いていたかな。ゲームも持っていなかった。あらすじやエッセンスだけ知って話してるだけで、とても話が軽薄だった。俺は彼と仲が良かったが違和感は常にあった。知識や話題は共有していたが感動を共有してなかったんだ。
彼はファイルアロケーションテーブルのようだと俺は後に例えた。実態じゃない。彼の偽物感はどんどん強くなった。今では交流はほとんど無いが、今の時代は彼に向いてるかもしれないな。

息子には彼のような偽物にはなって欲しくないと強く思う。小説や漫画は読むがアニメ2クール継続して観るかなあ。大変だな…。