やじろぐ7

40代半ばの妻子持ちがゲームしながら解脱を目指すブログ

ドラマ「アトムの童(こ)」最終話まで観た

いろんなところでいろんな感想がたぶんあふれているのであろうこのドラマ。脱落せずに最後まで観られて、まずはよかった。堀井雄二さんのインタビューでこのドラマ観てるって言ってましたね!ゲーム業界のドラマなんて珍しいもんねええ。

このドラマ、音楽、演出(映像を作る意味での)、演技は抜群によかったと思う。特に演技はすごくいいと思った。逆に酷いと思ったのは脚本、演出(ディテイルを描くという意味での)かな。

以前の感想で「大まかなストーリーはいいけど、肉付けの部分にリアリティが足りない」というようなことを書いたような。ほんとこのドラマは終始それ。現実にはありえない、起こりえない描写が多すぎる。社会経験のない高校生がふんわりとしたイメージで書いたラノベのような脚本だと思った。リアリティが低い。起こる問題が無理矢理すぎ。

そもそもゲーム作りをナメてるか無知なのか、その両方なのかとしか思えない浅い設定が多すぎる。2週間だよ2週間。アイデア作りからだよ?ふざけてる。「バグ直しといて」「今送る」じゃねえよ。このシーン、悔しすぎて拳を握りしめたわ。

ジョン・ドゥは天才すぎる。ジョン・ドゥの作るゲームは面白くて必ず人気が出るという前提は崩れなかった。このドラマの根底となる設定だからそれが最後まで崩れない構成はいいんだけど、いいんだけど、やっぱりゲーム作りナメてる気がする。

興津社長は無能すぎる。普通に経営陣交代した方が良かったんじゃないの。ゲームへの無理解や愛情薄はいいんだよ、社長なんだから。でも株主総会であんな簡単に吊し上げられるとしたらサガス本業の検索事業の決算も相当悪くないといけないんじゃないかな。決算の話が出ない株主総会ラノベっぽいね!
逆に言えば決算良ければ経営陣交代なんて言われなかったよね。まあふんわりとイメージで作り出したピンチだからいいんだけど!! 事件解決後、最後の方は興津社長も社員との距離が近くなって、慕われてるような描写があって、それは素直に美しいと思ったけどね、興津の言動、それまで美しくなさすぎて不愉快すぎたよ。巨悪は美しくないといけないんじゃない?

ちらちらとツッコミが浮かんで、没入しきれない、ワクワクやハラハラを感じさせない残念な出来になってると思いました。俳優陣の奮闘は続きを観ようという気にさせる出来だったけどね。