やじろぐ7

40代半ばの妻子持ちがゲームしながら解脱を目指すブログ

飼い犬は飼い主に似るか

昔、実家で飼っていた犬を、妻に会わせたことがある。当時は交際してそんなに経たない頃の彼女だ。犬は人懐こい犬だったので、それは大層喜んで妻にまとわりついた。
妻は、俺に似てると言った。犬はもう死んでしまったが、今でも写真を見ては顔も似てると言う。

思えば本当に人が好きで、警戒心が無くて、尻尾をよく振って、散歩中も誰かに会えば喜んで甘えに行く犬だった。
俺にそっくりやんけ。

でも俺だけじゃない。俺の母と兄も似た性質だ。基本的に人が好きで、他人を攻撃する気持ちがなく、好奇心が強い、そういうところがある家だった。だから犬もそうなったのかもしれない。

犬は仔犬の時に近所の家で産まれたうちの一匹をもらってきて、最初の5年間は俺が世話をした。俺の受験だかを機に、その後は兄が世話をして、兄が家を出てからは母が世話をした。
その間、全く吠えず、人に噛みつくことも一度も無かった。なお兄は丁寧で散歩も丹念にしていたせいか、兄に一番懐いていた。

母に聞いたところによると、業者が来て庭に回った時に、いつものように犬が大喜びだったようだが、業者さんは犬が怖い人だったようで、怖がって逃げていたら、犬の方も怖がって逃げたのだとか。

俺にとってはその犬が「ザ・犬」で、犬というものを判断する基準になっている。犬は死んで、俺は決していい飼い主じゃなかったかもしれないけど、犬は尊敬する対象、愛する対象としてまだ心にいる。

たぶん今、犬を飼っても、当たり前だけど同じような犬と過ごすことはできない。それはそれで新しい刺激新しい思い出新しい笑いがいっぱい生活に溢れるとは思うけど、俺はまだ犬を飼えずにいる。