やじろぐ7

40代半ばの妻子持ちがゲームしながら解脱を目指すブログ

息継ぎ

中学校三年生の時の水泳の授業を思い出す。プールの半分を分けて男女が水泳の授業を受けていた。俺は当時から近眼だったので女子の方をまじまじと見ることはできなかったが、発育の良い女子は人気があったということだった。

50メートルを泳ぐ事になって、皆、25メートルプールを一往復した。俺も一往復した。そしてプールから上がったその時だ。目の前が真っ暗になった。幸い、もう授業は終わりだったが、整理運動があり、その間、もう立っていられなかった。ほとんど気絶寸前だ。酸欠だったんだろう。解散して皆、更衣室に行ったが、俺はそこにへたり込んだ。体育の先生(当時40前後で、トミーというあだ名だった)が「おい、お前はどうしたか」と聞いてきた。少し目の前が見えてきてたので「ちょっと疲れました」と言ったら、トミーは怪しげに見ていたが「運動不足だからよ」と言って去っていった。お陰で水着の女子たちが目の前を通ったけど見ることは叶わなかった。たぶん顔は青白くなってたんじゃないかと思ったんだが、トミーは大丈夫と判断したようだった。俺は受け答えが快活だ。

酸欠で目の前が真っ暗になったのはその時が2度目だった。ここまでの人生で2度しか無いが、その2度目だった。俺は思い当たった。俺はさっきの50メートル泳いだ時、ちゃんと息継ぎをしていない。顔は上げていたが呼吸をしていなかったのだ。たぶん50mを泳ぐのに1分くらいはかかっていた。その間、ずっと無呼吸だった。
俺が運動する時は時々ある。ちゃんと呼吸するべきところで、呼吸を止めて動いている事が。文字通り呼吸を忘れているのだ。そう、俺は息継ぎが下手だ。

ちなみに、直接的な意味でも下手だが、比喩的にも下手だ。

俺は休憩をしながら活動することがあまりない。休憩が下手なのだ。今も昔も仕事上でもそう。全く休憩を取らずにずっと働いている。息継ぎを全くしない。一種の強迫観念なんだろうか、たぶん覚えていないが(←また出た)休憩していて責められた事があったのかもしれない。確かに俺は休んでいる時に「お前は何をしているんだ」と言われるのを具体的に恐れている。ずっと仕事をしている姿を見せていないといけない、息抜きしている姿を決して見られたくないのだ。

息継ぎしないと人は倒れる、そんなことわかりきっているのに、俺は今日も酸欠になりそうになりながら活動している。